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両腕が上がらない。

症状

(主訴)
両肩が痛くて腕が上がりにくい。整形外科で診てもらったが良くならない。

  • 来院者

    女性

    70 代

  • 期間

    2023年6月
  • 頻度

    週2~3回
  • 通院回数

    5回

施術と経過

(初診)
問診すると両肩関節痛と左上腕に痛みがあり、両上肢の可動域の制限もあった。
左側は4か月ほど前から痛み始め、右側は1か月前に踏み台から落下し、その際に右肩を打撲したとのこと。
患者さん本人は左側の痛みが強いようだったが、まずは「高齢」であること「打撲によって痛めた」ということなどから右肩関節の腱板断裂を疑った。
患者さんに腱板断裂の話をしてから簡易テストすると陰性なので両側同時に治療を進めることにした。
右肩の夜間痛があったが昨夜から無くなったとのこと。
右肩関節の内旋および外旋時に痛みがあり、両肩関節とも屈曲(前方挙上)が困難であった。
肩甲骨周辺の筋肉を弛め肩甲骨の動きをスムーズにするために右の背中に刺鍼すると右肩関節の内・外旋時の痛みが半減した。
(2回目)
両肩関節の痛みと運動制限があり。(左>右)
外転が90度以上は困難なので、テストすると身体の両外側が緊張しているので足関節付近に刺鍼した。
屈曲は前回治療後だいぶ良くなったが、あともう少し上がってもらいたいので腰に刺鍼した。
また運動時に三角筋が痛むので背中と下腿に刺鍼した。
治療後左上肢の外転も良くなり以前より上がるようになり、また後ろに手が回るようになった。
(3回目)
だいぶ痛みが減り仕事もしやすくなったと話された。
しかし両肩関節とも外転、屈曲が斜め45度までしか上がらず、初診時に比べたら非常に楽ではあるのだがもう少し可動域を広げたい。
(4回目)
右の肩関節は痛みもなく関節可動域も良好になったので、左の肩関節の外転の可動域を広げるため股関節外側に刺鍼し、屈曲時の可動域を広げるため下腿に刺鍼するとそれぞれ可動域が広がった。
ただ内旋・外旋時にまだ痛みが少し出るので背中に刺鍼して肩甲骨の動きをスムーズにしたところ痛みが消えた。
(5回目)
左肩関節の外転・屈曲時に痛みはなくなったが今一つ・・・という感じだったので深層の筋肉を弛めるほうが効果的と考え背中に刺鍼すると楽になった。
また左手を右肩にのせると左肩関節が痛むので背中に刺鍼すると痛みが消滅した。
仕事中も痛まず関節可動域も広がり生活にも支障がなくなったので、最後に今後の夏場などでの注意点などアドバイスをして本日で治療を終了とした。

使用したツボ

ツボのアイコンからツボの詳細が見られます

まとめ

当初腱板断裂を疑った右肩関節は治療を開始するとすぐに良くなっていったが、4か月間これといった治療をしてこなかった左肩関節の治りが遅かった。
パートで清掃の仕事をしていて上肢を非常に大きく使うので困っていたとのこと。治療途中から衣類の着脱や仕事中の痛みがなくなり助かったと話をしていました。
もう少し早めに治療を開始していれば何か月も苦しまずに済んだことでしょう。

担当スタッフ

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